OBSOLETE / FEAR FACTORY
「OBSOLETE / FEAR FACTORY」(1998年)
前作「DEMANUFACTURE」の冷血冷酷なマシーンのような音楽性とは打って変わって、暖色系のジャケットから想起されるように、人間味を持った丸みを帯びた音楽性に変遷しました。
とはいえ、同系統のヘヴィ・ラウドミュージックの中でももっとも激しいランクに入ることには変わりありませんが。
また、ボーカルのバートンCベルのスタイルも徐々に変わってきたのもこのアルバムから。普通声と怒号ボイスとを使い分けるのは相変わらずですが、中間色とも言うべき普通声でも怒号ボイスでもないシャウトをも使い分けます。これにより、ボーカルに幅ができ、より説得力が増しました。また、当時KORNやリンプビズキットのような、ラップを取り入れたメタルが流行っていた影響もあってか、一部の曲でバートンのラップが聞けます。
曲も、前作のような全力で突っ走るような速い曲だけでなく、ミドルテンポの曲を増やしバリエーションが広がります。様々なスタイルの曲に挑戦することにより、アルバム全体に流れや構成が生まれました。これが結果的に、映画のサントラのような一大コンセプトアルバムに仕上がります。
このアルバムは、詩人バートンCベルの描く壮大なSFストーリー、「OBSOLETE(旧式)」のサウンドトラックと言っても過言ではありません。ストーリー展開にあわせたとはいってもバラ付いた感じはなく、むしろ自然な流れで、アルバム後半に向けてドンドン盛り上がるドラマティックな構成になっています。コンセプトであることを無視してもいい展開です。
「ブレードランナー」や「ターミネーター」などの機械と人間の争いを描いた映画に影響を受け、映画のシナリオライターを目指したこともある、バートンCベル渾身の作品です。
歌詞は全て「OBSOLETE(旧式)」の世界観やストーリーに則って書かれ、曲順はストーリーの流れ順に進みます。曲と曲の間には、台本のト書きのような解説も書かれ、世界観をさらに盛り上げます。と言うわけで、このアルバムを買うときは、歌詞及びト書きが対訳された日本盤を買いましょう。
「OBSOLETE(旧式)」のあらすじ。
2076年。機械文明が進んだ世界では、機械に頼りきった人間は退化していた。機械に支配された人類の中から、エッジクラッシャーと呼ばれる英雄が生まれ、人類を救うべく機械に戦いを挑む……。
あぁ、SFファンのわたくしはここまででもゾクゾクするくらいの流れです。このあとも、単なるSFアクションにとどまらず、政治や宗教の絡む、読み手を考えさせる深いストーリーとなっています。
これはゼヒ、ハリウッドが誇る名SF映画監督に映画化してもらいたいですねえ。リドリー・スコット(エイリアン、ブレードランナー等)かジェームズ・キャメロン(ターミネーター1・2、エイリアン2等)辺りに。あーでも彼らは今や「巨匠」になっちゃったからなあ……。今若手のSF映画監督って誰がいましたっけ? てかイマドキSFは流行んないか。
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投稿: 偽物ブランド | 2020年6月 3日 (水) 15時12分