カラフル・トーキョーサウンズ・NO・9 / Aira Mitsuki
「カラフル・トーキョーサウンズ・NO・9 / Aira Mitsuki」
2007年7月29日。とあるライブを見に行ったら、前座でデビュー前のアイドルが出演しました。
機能性を無視した、とっぴなデザインの真っ赤な衣装に身を包んだその女性は、MCにて「アイラ ミツキ」と名乗り、デビュー曲他3曲を歌いました。
コレが「Aira Mitsuki」との出会いでした。
運命なのか偶然なのかわかりませんが、わたくしはそのライブの前座で登場した、一風変わった音楽性とキャラクター性を持ち合わせた「Aira Mitsuki」を気に入りました。
テクノポップにしてはアンビエント/環境音楽的な響きがありつつも、一度聞いたら耳から離れないクセになる扇情的なメロディライン。
自己主張しすぎず、バックの演奏にも埋もれない絶妙な立ち位置を持った声質。エフェクトをかけたボーカルは、どこか効果音/SE的であり、硬質で無機質な質感が心地いいです。
視覚的かつ斬新な音楽性。アート感覚にあふれた、おしゃれなイメージ作り。
「Aira Mitsuki」というひとりの"アイドル"ではなく、"総合アート"としての表現にわたくしはハマってしまいました。
あくまで「アイラ ミツキ」というひとりの女性の器を使って、「Aira Mitsuki」という名のアート表現をしているのだと認識しております。
「Aita Mitsuki」プロジェクトの音楽を、「アイラ ミツキ」さんがわざと棒読み風に歌ったり、真顔で歌ったり、ロボットダンスをしたりという演出は、どこかアンドロイド的。
その辺り、「トーキョー・サウンド・マシーン」みたいなイメージでもって音楽をやっている印象があり、その辺がわたくしの感覚を刺激してやみません。(マイアミ・サウンド・マシーンのパクリです。すみません)
「カラフル・トーキョーサウンズ・NO・9」の曲調は、Jポップと洋楽の間で揺れ動いているような、独特のメロディ。
シンプルな単音を多用するかと思えば、複雑な節回しを多用したりと、なかなか変化に富んでいます。
全体的におしゃれでアートな部分を押し出している雰囲気は、どこか「ピチカート・ファイヴ」を連想させてくれます。
もっと言えば「ピチカート・ファイヴ」が未来へタイムスリップして、マシーン化したような感覚でしょうか?
製作側にもそういう意識があるのか、公式HPの紹介文にて『2007年版渋谷系ムーブメント』と、自らの音楽性を明かしています。
(※以前、Aira Mitsukiを国内よりは海外で評価されそう、と言ったのはピチカート・ファイヴっぽいと思ったからだったりします)
公式HPにも紹介され、CDのオビにもでっかく書いてあった「1/6,325のシンデレラガール」という文字。
これは2007年に行われた「MEGA TRANCE 歌姫オーディション」にて、勝ち残ったアイラ ミツキさんのことです。
このオーディションのことはよく分かりませんが、アイラ ミツキさんはさすがオーディションに合格しただけのことはあるな、と思わせてくれます。
特別歌がうまいというよりは、リズム感にすぐれている感じかな?
かと思えば、テクノビートの波間を自在に泳ぎ回るような、不思議な浮遊感もあります。
声質は透明。
機械でいじっているから透明になっているとは思いますが、あまりにクリアすぎて、実は印象に残りにくい声質です。
だから、リードボーカルというよりはコーラス向きの声だと思うのですが、そこを逆手にとってわざと感情を押し殺したような棒読み唱法にして、なおかつ声にエフェクトをかけて機械的に仕上げることで、この上ない個性的なボーカルが出来上がっています。
そして音楽性もマシーン/ロボット的にすることで、「Aira Mitsuki」という独特の音楽に広がって行っている印象です。
ただ、シングル曲の別バージョンでは、エフェクトをかけてない普通声のアイラ ミツキさんの歌声が聞けまして、そこではまだ素人っぽさの残る幼い声が印象的。ただリズム感や独特の節回しは目を見張るものがあります。
あとアイラ ミツキさんは、年齢のワリ(亀井絵里さんと同い年らしい)には無垢な印象がありますね。ルックスだけ見ているとケッペキな感じで、そんな部分もどこかロボット的。
公式ブログを見ると、そこではフツーの女の子な部分が見れて、それはそれでホッとさせられます。
また、今ならYahoo!動画でシングルのPVが見れるので、興味のある方はご覧になってみてください。
デジタル万華鏡とも言うべき、オールCGのPVも含めて、「Aira Mitsuki」というアート表現が見れます。
「カラフル・トーキョーサウンズ・NO・9」
なんでNO・9なのか? という謎が残る、不思議な曲。
とにかくメロディラインが秀逸で、一度聞いたらクセになります。(現在わたくしは、この曲と「はなをぷーん」が交互に頭の中で回ってる)
曲タイトルをカタカナにしたり、どこかチープ感を出してるPVとか、極力英語を使わずなるべく日本語で機械的な単語を多用する歌詞とか、レトロ感覚と未来感覚を融合させたイメージで統一させている感じに一貫性があって、ソコの部分だけでも評価できます。
広い言葉で言ってしまえば「ジャパニーズ・テクノポップ」ですが、そこにアンビエント的な要素を持ち込んだことにより、今後もっともっと広がっていきそうな可能性を秘めた新しいジャンルではないかと思います。
c/w「キャンディーライト・モード」
突如アイドルアイドルした曲調に(笑)
飛び跳ねるようなリズムが面白い曲で、やはりどこかおしゃれ感覚のある不思議な曲。
女の子らしい、かわいらしい曲で、ピンクなイメージですね。でも機械的なので、メタリックなピンク色かな??
なんか、道重さゆみさんのラジオ「今夜もうさちゃんピース」のジングルやBGMに使ったらハマリそう。
「Aira Mitsuki」の印象をひと言で言うと、とにかく「面白い」に尽きます。
特別目新しいことをやってるわけではありませんが、曲の聞かせ方や、映像の見せ方に工夫が見られるのが良いです。この辺、製作側の苦労が見え隠れしていて、生半可な構想ではなく、ちゃんと地に足をつけてやってる感覚が面白いのです。
設定や世界観から、すごく作りこんで練りこまれた、一本のSF映画を見ているような感覚です。
アイラ ミツキさんを「アイドル」として売り出すのではなく、「Aira Mitsuki」という前衛的かつ先鋭的なトンガったアート/ミュージック/ヴィジュアルを提供し続けてくれるのであれば、今後も見つめ続けて行きたいと思います。
CDに、MP3変換したときに最適に聞けるようにミックスしたバージョンの曲を、ボーナストラックで収録する辺りからして、「何か違う」と思わせてくれます。
ちなみに、プロデューサーは大西輝門さん。
80★PAN!と同じプロデューサーで、どちらも曲がいいですね。
80★PAN!は骨太なガールズロックなのに対し、Aira Misukiはテクノポップと、なかなか幅広い音楽を提供してくれますね。
ちょっと気になる人です。
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