5(FIVE) / Berryz工房
「5(FIVE) / Berryz工房」
Berryz工房5枚目のアルバムです。
前作から一年ぶりのリリースですが、正直言うと「もうニューアルバム!?」という感じ。リリース間隔が短く感じました。
その理由のひとつが、前作「4th 愛のなんちゃら指数」のアルバムが今思えば地味な出来で、イマイチ聞き込んでいなかったためと思われます。悪い出来ではないのですが、アルバム曲が少なくおとなしめでインパクトが弱く、全体的に落ち着いた内容でした。某音楽雑誌の言い方をすれば「次作に期待」という評価です。
リリース間隔が短く感じる理由のふたつ目が、モーニング娘。がアルバムをリリースしていないということもあると思います。2007年の3月以来アルバムをリリースしていません。同年にシングル集をリリースしたことや、それに伴う全シングルを歌うライブツアー、夏のミュージカル等さまざまな理由があってなかなか製作段階につけないということもあるかと思いますが。
そうかといって、Berryz工房が特別精力的に活動している印象もありません。℃-uteの方がよっぽどバタバタしている印象です。
コンスタントにシングルをリリースして、コンスタントにアルバムリリース時期にリリースしたという、いたってフツーの活動なのですが、やはり「もう五枚目!?」という印象はぬぐえません。
3rdアルバムはミニアルバム形式とはいえ、ハロプロでオリジナルアルバムを5枚リリースしたのは、モーニング娘。についで2番目というのもあるかもしれません。松浦亜弥さんも5枚くらいリリースしてますけど、亜弥さんの場合、ベストアルバムだったり、セルフカバーアルバムなので「オリジナル」という意味では4枚です。
肝心の内容はというと、最初1回目に聞いたときは、前作の延長線上にある感じかな? という印象でした。あっさりさっぱりとした曲が多い印象で、前作と方向性が似ているように感じたからです。
が、しばらく聞き込むとこれが「違う」と感じました。
作品全体を覆う、潔癖なまでのさわやかさは前作と同様に感じますが、曲のクオリティがあがっている印象。特にアルバム曲。
というより、12曲収録中8曲がアルバム曲と、アルバム曲が数多く収録されていて、それらの出来がイイためにアルバムとしてしまっているように感じました。
アルバム曲のほとんどが、メンバーをバラバラにして少数で歌っていて、ライブでもこの構成で歌って交替しながらやるんだろうなあ、と予想させてくれます。まあ、シングル曲でセンターとなる人以外の人にも、歌のパートが振り分けられることになるから公平になっていいんでしょうね。このやり方の方が。
Berryz工房のアルバム曲は、今まで振り返ってみると、1stアルバムが一番出来がよく、2nd以降地味になっていった印象があるのです。3rdはいいと思うけれど、4thも印象に残りにくいです。
初期に見られた、80年代洋楽ロックを意識したようなクオリティの高い曲は、グループ中期には影を潜め、オーソドックスな邦楽ポップスに変わっていった印象があります。
今回のアルバムでは、初期に戻った感じはありませんが、どのアルバム曲にもフックがあり印象に残りやすいのが特徴でしょうか。どの曲がライブの定番曲になっても良さそうな感じはしています。曲自体は「完成」されていませんが、楽曲というものはライブで作り上げられるものだと思っている人間からすると、「画竜点睛」の言葉どおり楽曲作成の最後の仕上げはステージと客席が一緒になって作り上げるものなので、ライブで実際に聞いてみないと分からないのです。
アルバムで聞いて良さそうと思った曲がライブでぱっとしなかったり、イマイチだった曲がかっこよく聞こえたりするのはそのためです。
今回のアルバム曲は、そのどれもがライブで面白そうなので、ライブ見てない現時点では評価高めになっています(ライブ見たらまた評価が変わる恐れアリ)。
というわけで、この「5(FIVE)」というシンプル極まりないタイトルのアルバムは、最高傑作の1stアルバムについで2番目に好きなアルバムとなりました。
最初アルバムタイトルを知ったとき、もうちょっとひねったタイトル思いつかなかったのかな? と勘ぐったのですが、内容に自信があったのでわざとシンプルにしたのではないかと思われます。
ここでひとつの疑問がわきます。
それはなぜ初期のBerryz工房の曲はクオリティが高かったのに、ココ最近の曲はあっさりめの曲が多いのか? という点です。
単につんく♂さんの作曲能力の問題、と言ってしまえばそれまでですが、同時期に℃-uteにはすばらしい曲を提供しています。まあ、これはきっとその時期その時期のつんく♂さんがお気に入りのグループにはイイ曲を書いてしまうという、とても分かりやすい性格の現われなのかもしれませんが、理由は別にある気もします。
わたくしがBerryz工房に入れ込むきっかけになったのが、クオリティの高い曲を、舌っ足らずなのか、英語風にわざと言わせているのかわからない、スレスレのラインで「歌わされている」Berryz工房がとても新鮮に見えたからです。
このギャップにすっかりやられてしまったわたくしは、いたいけな少女たちが高品質の洋楽ロックを歌う「奇抜な」グループとしてBerryz工房を認識します。
しかし、それは時とともになくなり、当然ですが、彼女たちは成長し歌が歌えるようになってしまいます。それは歌手として当然のことなのですが、わたくしとしてはこれ以上歌がうまくなってほしくない、と思う時期もありました。
そうすると、製作側とすると、わざわざ高品質の曲を与えなくても、普通の歌も歌えるんじゃないか? と思うはず。すると、地味な曲を歌唱力で聞かせるような方向性に行くはず。
が、最初からうまくいくはずもなく、普通の歌を普通に歌うだけの地味な曲が出来上がってしまいます。それが、すこしBerryz工房として停滞していた時期ではないかと思います。
しかし、キャリアを積んで表現力を身につけた今、彼女たちは歌唱力で歌を聞かせるほどに成長しました。
今回のアルバムにも、そこまでクオリティの高い曲はありませんが、Berryz工房各メンバーのスキルでもって聞かせている曲がいくつかあります。
そんなところに、たまたまクオリティの高い曲を数曲歌わせたもんだから、このアルバムは印象に残りやすいものとなったと推測できます。
でも個人的には、もう少し泥臭い曲を歌わせてもいいと思うんですけどね。
クオリティの高い曲を舌っ足らずに歌うベリーズと、歌唱力で聞かせるベリーズ、果たしてどっちがいいのか分かりませんけれど。
ちなみに、いくらクオリティが高いといっても℃-uteの歌唱力にはかなわないのがBerryz工房。
別に負けてるって意味じゃなくて、℃-uteは歌がうまくて、Berryz工房は各メンバーのキャラが立っていてそれぞれひとりの表現力が高いのが、それぞれの売りってことです。
各曲の印象
1.HAPPY! Stand Up
シンプルな構成で作られたハードロック曲で、初期ベリーズを思い出させてくれます。少しひねくれたギターリフとあいまって、単純にカッコイイ!って言える曲です。オープニングナンバーにはぴったりです。特にベースラインがカッコイイ。
「HAPPY! Stand Up」と「発見したんだー」という、韻を踏んだつんく♂さん節も好き。
2.この指とまれ!/ 嗣永桃子・徳永千奈美・須藤茉麻
ココ最近のベリーズらしい、さわやかで歌唱力で聞かせる曲。でも程よくキャッチーで耳に残りやすいです。ただ、もうひとつ何かをプラスすればもっといい曲になりそうな気がするけど、それが何なのかわかりません。
3.バカにしないで / 清水佐紀・夏焼 雅・熊井友理奈・菅谷梨沙子
ベリーズらしい激しい曲です。キャプテン、雅さん、梨沙子さんの歌唱力が光ってます。前作の「サヨナラ 激しき恋」と同系統の曲。
4.行け 行け モンキーダンス
改めて聞くと名曲ですねコレは。かっこよさと、面白さのバランスがすごくうまく取れていると思います。
5.Ah Merry-go-round / 清水佐紀・嗣永桃子
お姉さん2人が歌う切ない曲。ふたりの歌声がきれいで、カッコイイです。ライブで聞いたら染みそうです……。
6.CLAP! / 徳永千奈美・夏焼 雅・熊井友理奈
さわやかだけど、とにかくライブで盛り上がっちゃえ! という曲ですね。合いの手だらけで、実に面白そう。
アコースティックギターが健全なイメージで、みんなでハイキングにでかけて、原っぱでみんなで弾き語りしてるような光景が思い浮かびます。フォークっぽいのかな?
熊井さんのあっけらかんとした声、千奈美さんの元気な合いの手、雅さんのハーモニーとどれを取っても完璧。
途中メロウなパートもあって、こういう曲こそライブで聞いたら泣いてしまいそうです。
7.REAL LOVE / 菅谷梨沙子
梨沙子さんのソロ曲です。勝手なイメージですが、後藤真希さんにおける「赤い日記帳」のような位置づけに思えます。
少し背伸びをした恋愛の歌詞と、梨沙子さん自身少し背伸びした大人っぽい曲の対比が面白いです。
これをライブでどう表現するのか? とても楽しみです。
8.夢を一粒~Berryz仮面 Endingテーマ~ / Berryz仮面
Berryz仮面シリーズの曲です。オープニング曲があれば、エンディング曲があってしかり。こりゃ一本とられました。
またこれがいい曲なんです。染みます。
9.ジンギスカン
色々意見があったと思うのですが、結果的にこのカバーをやって正解だったと思います。
だってライブですっごく盛り上がるんだもん。
10.付き合ってるのに片思い
もう一年近く前のリリースになります。最初はそこまでイイ曲だとは思わなかったのですが、繰り返し聞いてるうちにお気に入りになりました。
これもライブの定番曲にしてもいいでしょ。ね、いいでしょ?
11.BE
ラストを締めるかのようなしっとりとした曲。静かに歌いだして、どんどん盛り上がるドラマティックな曲。
コーラス部分を会場全体でやったら盛り上がりそうですなあ。
少しマトモすぎるところはありますが、Berryz工房を代表するバラードに数えてもいいかもしれません。
12.スッペシャル ジェネレ~ション (エキセントリック Remix)
アレンジ自体はカッコイイし、面白く仕上がってますが、何もこのアルバムのこの曲順に入れなくても……というのが第一印象。
前の曲でしっとり終わらせた印象をぶち壊しにしてる印象があります。
この曲は別なミニアルバムにでも収録するか、もっと別な曲順に入れるべきでしょう。まあボーナストラックですな。
1stアルバムにおける「Bye Bye またね」の次のあの曲的存在。
○曲順
このアルバム、前半のほとんどをアルバム曲で埋め尽くしていて、アルバム曲の出来の良さをうまく見せていることには成功しているのですが、アルバム後半の曲順に不満があります。
特に、
8.夢を一粒~Berryz仮面 Endingテーマ~
9.ジンギスカン
10.付き合ってるのに片思い
11.BE
の流れの、⑨と⑩が流れ悪く感じます。他に置き場が無かったから、とりあえずココにもってきたみたいな居心地の悪さを感じます。アルバムを通して聞いたとき、ココ部分だけ浮いて聞こえます。
それから⑫は要りません。これはなくして、全11曲の構成にすべきです。
ラストは⑪でしめるのは問題ありません。てか、これで大正解。
わたくしはどうしても、アルバムをアナログレコードにたとえてしまうクセがあって、アルバムの前半と後半に分けて曲順を見ます。
前半の①は正解です。1曲目にふさわしいです。①~⑤くらいまではいい流れになっています。
ここでわたくしなら⑥にREAL LOVEをもってきます。これで前半終了。前半を締めくくるには説得力のある曲でしょう。
後半の1曲目は、ジンギスカン。たいていB面の1曲目というのは激しく始まるものです。
⑧にBerryz仮面、⑨に付き合ってるのに片思い、⑩にCLAP!というながれにします。
まとめますと。
1.HAPPY! Stand Up
2.この指とまれ!
3.バカにしないで
4.行け 行け モンキーダンス
5.Ah Merry-go-round
6.REAL LOVE7.ジンギスカン
8.夢を一粒~Berryz仮面 Endingテーマ~
9.付き合ってるのに片思い
10.CLAP!
11.BE
どんなもんでしょ??
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コメント
どもども。
ちゃんとBerryzを追ってきている方の感想は説得力あり深いですね☆
℃-uteに熱中しチラリとチェックしてただけだった私みたいなファンがアルバムを購入した事にBerryzの充実っぷりが見えるかな?。。
>もう少し泥臭い曲を歌わせてもいいと
菅谷さんのブルーズが聴きたいです☆
>4.行け 行け モンキーダンス
>改めて聞くと名曲ですねコレは
Berryzの曲は良い曲多いなって認識はず~っとありましたが、歌声、パフォーマンス含め、強烈に購入したい!と思わせてくれた曲です。最高♪
>アルバムをアナログレコードにたとえてしまうクセが
わかります(笑)。
ねこぽくさんの曲順見事です。
そてにプラス、エンディングに「夢を一粒~Berryz仮面 Endingテーマ~」のオルゴールverがクロス・フェイドしたりなんかしたら素敵かな?なんて…
ではでは。
投稿: ののまる。 | 2008年9月21日 (日) 09時35分
>ののまる。さん
いやあアルバムの感想ってのは、色々な人がやるからこそ意味があるんですよ。音楽雑誌で複数の人がクロスレビューをやってるのはそのためです。
長年聞き続けてるからこそ、つい見落としてしまう点、というのもあるし、そこまで深く入り込んでないからこそ見えるものってのもあると思うんです。
アナログレコード派に賛同いただきうれしいです(笑)
やっぱりあの曲順と収録曲には違和感を覚えるのですよ。
オルゴールバージョンで締めるというのもいいですね~。
ただ、それをするには元曲をアルバムの軸になるような曲順に配置する必要があるかもしれません。
また曲順を考えなければ……(笑)
投稿: ねこぽく | 2008年9月28日 (日) 20時54分