
「メギツネ / BABYMETAL」
メジャーシングル第二弾です。
初回盤が三種類と通常盤があり、全部で4パターンありますが、収録曲は初回盤にBLACK BABYMETALの「おねだり大作戦」、通常盤にSU-METALソロの「紅月」がそれぞれ収録されています。
「メギツネ」
そもそもの話で、BABYMETALのメンバーがメタルについて勉強している時に、海外のメタルミュージシャンがやっている「メロイックサイン」を見て、影絵のキツネと勘違いして「可愛い」と言ったことから、BABYMETALはオリジナルの「キツネサイン」が出来上がったわけですが、今回の曲はBABYMETALがその「キツネ」にこだわってクローズアップした曲になっています。全て後付けの事とは言え、ここまで風呂敷を広げられると、感服するしかありません。
公式では「お祭りメタル」とあるように、「メギツネ」は和風テイストの曲に仕上がっています。
衣装もいつものゴシック調のモノから、和服に着替え、キツネのお面を強調しています。
和風テイストのメタルというと、真っ先に思い浮かぶのが、自称「妖怪ヘヴィメタル」の陰陽座です。彼らもコンセプトだけを聞いてると、色物っぽいですが、音楽そのものは正統派のメタルで、和風のメロディをうまく融合させて成功している数少ないバンドです。
どこまで陰陽座と差別化をはかるかが、今回の曲の鍵だったと思われますが、「お祭りメタル」として「ワッショイ」とか「ソレソレソレソレ」とか「ソイヤ」とか、YUIMETALとMOAMETALに合いの手を入れさせることでBABYMETALらしさを演出しています。
曲も扇情的になるようにうまくアレンジされていて、豪華さや賑やかさといった喧騒感を表現しています。
曲は、太鼓を意識したような「ドコドコ」というスネアが印象的で、なおかつキャッチーで覚えやすいリフが特徴です。ここに「ソレ!」と掛け声が入ることで、嫌が応でも盛り上がります。
曲のアレンジを手がけたのは、「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」のゆよゆっぺ氏。「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」はメタルというより、普通のポップスを多少ディストーションをかけた程度で、あまりメタルメタルしたアレンジにしない方です。
「メギツネ」もガチガチのメタルアレンジに仕上がっておらず、ポップスの領域にとどまった上で、メタル要素が入ってる感じです。曲も生演奏ではなく、打ち込みですし。
ですが、ドラムパターンがかなり激しくて、ここだけは激烈なメタルっぽさがよく出ています。特にバスドラ。海外の猛者ドラマーならキックできるでしょうけど、日本人のドラマーでここまでキック出来る人は限られてくるのでは……。
歌メロは、SU-METALの新境地を拓いたような世界観で、特にサビに至っては昭和歌謡といってもいいくらいのメロディラインです。
こういうクサイメロディラインを歌うと、ダサくなりがちですが、メタルの上に乗っかると不思議とかっこよく聞こえるから面白いものです。
これは何も「メギツネ」に限った事でなく、海外のメタルにも言えます。その国々の土着の民謡を取り入れたメロディラインでメタルを歌っても、ダサくなるどころか、クサイメロディラインが返って感動を呼ぶのです。
「メギツネ」も、日本人が好むマイナー調の切ないメロディが特徴です。ここに、ジャパニーズメタルの真髄があると思います。
SU-METALは、真っ直ぐで伸びやかなボーカルが特徴で、まだヴィブラートらしいヴィブラートは出来てませんが、10代でここまで歌えるのなら満点です。誰もさくらまやのように歌ってほしいとは思わないでしょう。
更に曲は、「さくらさくら」のパートが導入されており、ジャパニーズメタルであることをことさらに強調してるようです。
「メギツネ」は、お祭りの楽しさと、歌謡曲の切なさが同居した、日本人にしか作り得ないまさに「ジャパニーズメタル」だと思います。そこに加えて、SU-METALのボーカルの新たな一面が見れるという大きな意味のある楽曲に仕上がっています。
「紅月-アカツキ-」
SU-METALのソロ曲です。
曲自体は、昨年のBABYMETALソロライブにて披露されてましたが、長らく曲タイトルが発表されていませんでした。わたくしは勝手に「紅の騎士」と呼んでました。
曲はメロディックスピードメタルとか、メロディックパワーメタルとか、そういったジャンルになると思います。日本人メタラーが最も好むメタルのジャンルです。曲のテンポが速くて力強く、尚且つメロディラインが美しくもはかないというのが特徴です。
これは、BABYMETAL及びSU-METALファンが、彼女に最もやってほしかった曲に仕上がっているのではないのでしょうか?
今までのBABYMETALは「ド・キ・ド・キ☆モーニング」に始まり、ポップスの領域を意識した上でのメタルで、純粋なメタル曲といえば「イジメ、ダメ、ゼッタイ」くらいのものでした。
その「イジメ、ダメ、ゼッタイ」ですら、YUIMETALとMOAMETALの合いの手が入っていて、それが邪魔という頑固な人もいたかもしれません。
ですが「紅月-アカツキ-」は、合いの手のない完全にSU-METAだけLの曲です。バックの演奏も純粋なメタルです。ここまでやってくれたら、BABYMETALに否定的なガチメタラーにもアピール出来ると思います。
恐らく、このクオリティの曲をやり続けていけば、メタルファンに十分に訴えかけるものがあるので、支持は受けられると思います。
とはいえ、オンリーワンを目指すBABYMETALですから、メタルファンのためだけにアピールする楽曲にとどまらない活動を望みます。
常に「なんじゃこりゃあ!?」と、ファンの度肝を抜くような楽曲を提供し続けていってほしいのです。
そのためには、正統派のメタルから逸脱してもそれは構わないと思っていますし、なにもメタルじゃなきゃダメってこともありません。
でもたまには「紅月-アカツキ-」のような曲も織り交ぜてね。ってところでしょうか?
「おねだり大作戦 / BLACK BABYMETAL」
YUIMETALとMOAMETALがメインの曲です。
簡単に言うと、ラップメタルです。えーと、実はこの手のジャンルは苦手だったりします(笑)
まあ、彼女たちにはメタルの様々なジャンルに挑戦して欲しいと思ってるので、こういうのもアリです。いつかはやると思ってました。「いいね!」で布石をしてましたし。
とはいえ、ライブでは非常に盛り上がる曲で、サビなどでは会場一体となってジャンプしまくりです。
歌詞は女の子がパパにゴマすりしながら、おねだりするという小悪魔な曲です。
MOAMETALによる殺し文句の「わたし、パパのお嫁さんになるんだ」がきいてます。
ボーカルに関しては、やはりSU-METALと比べると子供子供した声です。だからこそ、おねだりの歌詞が似合うのかもしれません。
キャピキャピしてるようで、実はボーカル自体の下地はしっかりとしてるので、ちゃんとじっくりと聞けます。多少の萌え要素もありますが……。
凡庸なことを続けるよりも、常に前進・実験を繰り返して欲しいので、この曲の意義はとても大きいと思います。
以上、「メギツネ」の感想でしたが、3曲とも全く違う曲調なのに、ちゃんとBABYMETALらしさが出ているのが素晴らしいと思います。
これからも、様々なメタルに挑戦していってほしい、そう思ったシングルでした。
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