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2014年7月の2件の記事

「恋愛至上主義 / Chelip」

ちに待ったChelipの2ndシングルです。
簡単な感想は7/6のブログにてラジオバージョンを聞いてのものを見てください。
ここではCDならではのもう少し突っ込んだことや、カップリングの「アン デュ トロア」について書いていきます。
 
CDを入れてPLAYボタンを押し、アンプを通して、スピーカーから出た音にまず鳥肌が立ちました。
これは本当にインディーズアイドルの音なのかと耳を疑ってしまうほどの、音質の良さでした。
録音状態、ミキシング、そしてロンドンで行ったというマスタリング。全てが好転した結果が音に現れていると感じました。
前作「Che Che Chelip ~魔法のコトバ~」も、確かに音が良かったのですが、今回はその数倍上を行っています。
CDを購入された方で、家のオーディオ環境が悪い方でも、ライブ会場の大音量で聞けば、その音の違いに気付くはずです。
それだけ、音にこだわって作られたシングルであると、製作陣の意気込みを感じました。
 
基本的には打ち込みですが、リズムトラックはとても生っぽくてベースは生演奏ではないかと思いました。
そのベースラインのうねりが素晴らしく格好良く、ジャズ・フュージョンでも聞いてるかのようです。特に曲のアウトロに差し掛かる部分になると、突如バックスがジャジーに変化するのですが、ベースの音がウッドベースのような響きをしています。全体的にゴリゴリとしたベースが実にカッコいいのです。」
ごちゃごちゃと色んな音を足していくのではなく、むしろ余計なものを削ぎ落としたようなソリッドな音は、一聴するとスカスカですがそこを絶品のボーカルが補っています。
スロー・ミドルテンポの落ち着いた曲調によく合う、中音域のボーカルはもはやアイドル界の至宝ともいうべき存在といっても過言ではないはず。
ボーカルの中核を担う井次麻友さんの歌唱力はもはやChelipになくてはならない存在であると同時に、低音・中音域をカバーする藤井美音さんのボーカルのユニゾンはまさに絶品。
パッと聞いた感じは、グルーヴィーなダンスナンバーのようですが、バックスとボーカルのバトルが楽しめる、とてもスリリングな1曲となっています。
 
ゆったりとした曲調とはうらはらに、激しいダンスがこの曲の特徴です。
間奏が流れてる時間が長いため、メンバーはひたすら動き回っているということになります。
1曲歌い終える頃には汗だくになるほどですが、水分補給もせずに少しのブレイクをはさんで、すぐに次の曲に行くのは凄いのひと言。
ここに、Chelipは単に曲がいいだけのユニットではない、というプライドがあると思います。
 
タイトルは「恋愛至上主義」とスパッと言い切ったような文言ですが、歌詞の内容を見ると「じらして登場」「も一度ここで 振り向いて笑えるかな」「ギュってしたいな なんて言えないよね」という、煮え切らない言葉が出てきます。
「まだ足りない」というラストの締めから、恋愛に対して貪欲な姿勢を持っていると受け取れます。
そもそも、恋愛至上主義の至上とはどんな意味でしょう? 調べてみると、最上とか絶対的であるしてとあります。恋愛に対して、絶対的な立場を取っている、ということになるかと思います。
歌詞の内容を噛み砕いて言えば、恋愛に対して真っ向から向かう姿勢をとりつつも、不安もありつつ、でも物足りなさを感じている乙女のストーリーが見えてきます。
ただ、詩の言葉選びが意外と普通のものであるため、タイトルのインパクトに負けてしまっているのも事実。歌詞の方にもインパクトが欲しかったかな?
 
「アン デュ トロア」
タイトルトラックとは一変して、幻想的な曲に変わります。
ベースは控えめ。ストリングスを多用して、雰囲気を出しています。
こちらも必要最低限の音で世界観を作り上げています。ピアノとパーカッションとの絡みで始まり、徐々にストリングスが加わり、鐘の音をSEに使うこだわり方をしています。
目をつむれば、霧のかかった古風な欧州の街並を思い起こさせてくれます。シンプルな曲ですが、奥深さを感じられる曲で、何年か経って聞いても色褪せないであろう魅力を感じます。
恋愛至上主義が80年代洋楽的な懐かしさを感じさせてくれる曲なら、アン デュ トロアは賞味期限のないいつの時代でも違和感なく聞ける曲だと思います。
ボーカルも感情を押し殺したような、囁きかけるような歌い方で、かえって世界観の広がりを感じさせてくれます。語り部に誘われて、曲の世界に入り込むのです。
この曲を単なるアイドルソングやJポップのくくりに入れてしまうには、あまりにもったいない気がします。海外の人が聞いても反応できるくらいの、深くて広がりのある曲に仕上がっているため、プロモーション次第ではワールドワイドで火が付きそうな気がするのですが…
だからか、アイドル現場ではみんなで沸いて盛り上がる曲にはなっていません。でも、スタンディング会場でみんなが座って、じっと聞き入る光景があってもいいと思います。
1stシングルの頃から思っていたのですが、Chelipは「聞かせる」アイドルだと思っています。それは曲の完成度だったり、歌唱力だったり。だからこそ、わたくしがここまでずっとChelipを追い続けてきたのです。単に可愛いだけのアイドルには興味はありません。
 
タイトルにフランス語が使われていますが、なぜなのか真相はわかりません。単に欧州っぽさを出すため、とりわけフレンチポップさを彷彿とさせる意味合いを持っているのかもしれませんし、感情を押し殺してお人形さん的な歌い方をするところにフランス人形を当てはめたのかもしれません。
歌詞もわかりやすいものではなく、言ってみれば難解です。幻想的な単語が飛び交う、散文詩のようです。
それだけに、幾通りにも解釈のできる歌詞は賞味期限がなく、曲同様いつの時代に聞いても古さを感じさせないものになっていると思います。
孤独感をテーマにしたかのような歌詞には、寂寥感に満ち溢れています。
 
今回のシングル「恋愛至上主義」は、最高傑作とも言えた前作を超えるべくして制作がなされたと思います。
どうやったら前作を超えられるか? がテーマになっていて、曲の世界観、歌詞世界、音質の向上、ダンスのクオリティ、全てにおいて手を抜いたところがありません。
もはや、そんじょそこらのアイドルには太刀打ちできない高みに登りつめたと思うのですが、そうなってくると「孤高」という使命が待っています。
あまりにクオリティを追求しすぎると、ファンが付いてこれない、という現象が起きます。
しかし、今回のシングルしっかりとアイドルに興味のない人でも入り込める余地のある作りがしてあると思います。
さらにアーティスト寄りになったわけですが、今度はアイドルファンからは敬遠される恐れもあります。特に、ライブで暴れたい方々には。でも楽曲を大切にするファンにはきっと響くものがあるはずなので、ずっと歌い続けていけば必ずやChelipが評価される時が来ると信じています。
ライブでも楽しいアイドルだけど、家でじっくりCDを聞き込んでいても楽しい。それがChelipだと思います。
それは、今回のシングルにインストが収録されているあたりに、楽曲に対する入れ込みがただものではないと感じました。

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「恋愛至上主義(ラジオVer.)/ Chelip」

2014年7月5日放送分の「Chelipのぷぷぷ」内にて、2ndシングルのA面「恋愛至上主義」が初OAされました。
CDのリリースは7月の中旬~下旬を予定しているので、それの先駆けてのOAとなりました。
 
前作の「Che Che Chelip~魔法のコトバ~」から、約2年。
ファンも待ち焦がれましたが、一番ヤキモキしていたのは製作陣だったかもしれません。
駆け出しのアイドルにとって、持ち歌がそろうのとそろわないのとでは、ライブで大きく違ってきます。
いつまでたっても新曲ができず、カバーばかり歌っているようでは、芸がなさすぎます。
そんな中での2ndシングルリリースは、ファン・運営・メンバーにとってうれしい運びだと思えます。
もちろん、ライブ限定曲も大切ですが、ちゃんとCDとして円盤になることに比べたら雲泥の違いがあります。
 
ただ、1stシングルのデキがあまりに良すぎたため、2ndへの期待感が大きくなりすぎて、怖い。というのも事実です。
だからなのか、1stシングルと同じく浜田ピエール裕介氏が作曲しておられます。
ここに大きな鍵があるものと思われます。
 
ラジオで聞いての音質なので、あとでCDで聞いた場合とでは、印象がまた変わるかもしれませんが、とりあえず感想を書きます。
一応、ライン端子をアンプにつないでスピーカーから聞いてはいます。
 
最初に聞いた時に、テクノっぽい、というのが第一印象でした。
打ち込みを多用したバックスに少し戸惑いを感じましたが、ゆったりとしたボーカルが乗ると、そこはChelipワールドです。
今まで何度も繰り返してきましたが、Chelip最大の武器はほかのアイドルと比べて声質が低く中音域を駆使した歌い方に特色があると思っています。そこが差別化となり、ほかのアイドルと競合せずにいられるのと同時に、低い声質が落ち着いた雰囲気を醸し出し、アーティストっぽい歌い方になっていると思うのです。
それがうまく発揮されているのが、Aメロ~Bメロにかけての部分です。ゆったりと落ち着いた雰囲気で歌うパートはまさにChelipの真骨頂です。
でも、中音域で歌うからといって、高い声が出ないかというとそうではなく、サビではハイトーンを披露してくれます。
この辺の振り幅の広さも、Chelipがただのアイドルではなく、アーティストよりな部分だと思うのです。
 
前作が歌メロ重視(それでもバックスは良質だった)の曲だったのに対し、今作はバックスにより一層力を入れているのがよくわかります。
ボーカル部分とバックス部分がせめぎあっているのが実にかっこよく、これはもはやアイドルではないな、と感じさせてくれます。
ですから、ライブで歌った場合でも、無理やりMIX入れたりコール入れたりするのではなく、静かに聞いてるのが合っていると思います。
 
曲後半では急にジャジーに展開し、ますますアーティスティックになっていきます。ここらへんも実にカッコイイ!
とはいえ、歌っていないバックスのみが流れる部分が多いので、その間のダンスがどうなるのかが非常に楽しみでもあったりします。
 
今回のシングル曲。バックスとボーカルのバトルがテーマになっていると感じました。ふたつの掛け合いがとても心地よく、うまくバランスが取れていると思います。
マスタリングをわざわざ海外で行ったようですが、その理由がそこにあると思いました。
ボーカルはもちろんですが、バックスを極上に仕上げるための海外作業だったとにらんでいます。
PCのスピーカーではわかりにくいかもしれませんが、低音の締まり具合が実に心地よくて渋いのです。
 
曲のわかりやすさでは前作に軍配が上がると思いますが、聞き込むにつれて面白みが出てくるのは今作だと思っていますし、長年聞き続けた場合でも飽きずに聞けるのも今作だと思っています。
だから、何回も聞き返して「こんな音が鳴っているんだ」と新たな発見が見つかる要素がたっぷりと詰まったシングルだと思います。
早くCD音源で聞きたいですね。楽しみです。

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