Chelip / ガールズ・ミッドナイト
4月19日にBEXXにて行われた、Chelip4月定期公演にて、新曲「ガールズ・ミッドナイト」が披露されました。
まだショートバージョンですが、曲の雰囲気は十分に伝わってきました。
率直な感想を言うと、これは「いわゆるアイドルソング」ではない、と断言できます。
では、もうChelipはアイドルではないのか?ってことになりますが、元々アイドルとアーティストの中間の立ち位置を持っている微妙なバランス感覚がChelipの持ち味だと思っているので、今回の新曲は少しアーティスト寄りの楽曲に仕上がっただけだと思います。
井次麻友さんが二十歳。藤井美音さんも今年から大学生ということもあって、この年齢にしか出せない、アダルトな空気感が漂っていて狙い通りの曲になっています。
まず曲タイトルからして「ミッドナイト」という言葉を使ってるあたりに、もうおこちゃまではないと宣言しています。
わたくしの持論として「アイドルの歌うジャンルに境界線はない」というのがあります。さきほどアイドルソングではないと書きましたが、実際アイドルらしからぬ曲を歌うアイドルさんはたくさんいらっしゃいます。
キャピキャピしたものもあれば、ロックなもの、王道アイドル路線もあれば、ディスコミュージックもあります。どんな楽曲であっても歌いこなせる技量を持った人が真のアイドルだと思っています。
「ガールズ・ミッドナイト」はその中でも、飛び切りファンキーでディスコなナンバーだと思います。でもどこか物悲しいサビが頭に残ります。
ミドルテンポで進むシンプルな曲ですが、それだけにふたりの歌に酔いしれることができます。
歌メロは低音から高音域まで音域が広く、ふたりの歌唱力の良さを改めて確認できます。
とはいえ、まだライブ披露は初なのでまだまだ歌い慣れていない感じでしたが。
ある程度音楽を聴き込んだ、特に80年代の洋楽を聞いてきた世代なら懐かしさも感じられ、また若い世代には新鮮に聞こえるであろう楽曲はじっくりと聞き入りたいと思わせる説得力があります。
決して沸く曲ではありませんが、聞いていて飽きさせないメロディです。若さに任せて沸きまくるアイドルソングとは対極にある楽曲です。
他にこのような楽曲をやってるアイドルさんというと、単純に比較はできませんが、東京女子流さんあたりに通じるものがあると思います。女子流さんは80年代洋楽ポップスのエキスがたっぷり入ったアダルトな楽曲を、若い歌い手に歌わせるギャップが面白いと常々思っています。これをChelipが歌うと声質も相まってとてもドンピシャにハマるのです。
オトナの妖しく艶のある楽曲は脂の乗り切った彼女たちにうってつけのナンバーだと思います。
Chelipはこれまで楽曲の良さに加えて、音質が良いことでも評価されています。
今回もしっかりとしたバックの音を聞かせてくれます。
大きめの低音のリズムに、ブイブイ言わせるベースの音、怪しげなシンセ。長尺の間奏のギター。
かと言って音を詰め込んだ感じがしないという、必要最小限の音で世界観を出し切っています。
歌以外の部分も聞きどころがあるのも魅力なのです。
ダンスはこれまでのクオリティを踏襲した、独特のステップを軸に、腰の動きを取り入れたセクシーなものになっています。
曲のインスト部分では激しいダンスで見るものを飽きさせない配慮がされています。
こちらも歌同様、今後どのように踊り慣れていくのか注目です。
ただ、イントロとアウトロの振りでモーニング娘。のLOVEマシーンに似た動きがあるのは…偶然でしょう(笑)
今回の定期公演で新衣装も披露されました。
黒ずくめの裏地は赤という、シックな装いです。燕尾服のような、マントのような上着にショートパンツという組み合わせが面白いです。
この衣装も「ガールズ・ミッドナイト」によく似合ってました。
夜の漆黒に、ひらひらと舞う衣装はオトナの雰囲気たっぷりです。これからの季節にはちょっと暑そうですが、曲イメージにはぴったりなのでしばらくはこの衣装でいてほしい気も。
「ガールズ・ミッドナイト」
今回の新曲は、大人なChelipが見れる等身大の素直な曲だと思います。
元気な沸ける曲もいいですが、この手のしっとりと落ち着いた楽曲をやれるということは個性だと思うので、どんどん強気で攻めて行って欲しいです。
ほかのアイドルさんが真似ようとしてもできない自分たちの魅力に磨きをかけるということはとても強い武器になるはずです。
新曲をひっさげての東京遠征で果たしてどんなインパクトを与えられるか? に注目したいと思います。
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