SHERBET / Buono!
Buono!のミニアルバムです。
前作の「partenza」が、従来のBuono!のイメージを崩す実験的な作品であったためか、今回はいわゆるBuono!の基本的なものを取り戻した作品になっています。
原点に立ち返ったと言えば聞こえはいいですが、少々保守的な気もします。
長く音楽活動続けていく上で、どんどん新たな要素を取り入れて、前回とは違うものを作ろうとするのはアーティストとしての探究心だと思うのですが、これが空回りすると従来のファンからそっぽを向かれてしまいかねません。かと言って新しいファンを獲得できるかというと、そう簡単な話でもありません。
例えばモーニング娘。のようなアイドルであれば、その時、その時代の音楽要素を取り込みつつ自分たちの音楽性を出していけると思うのです。
アイドルという音楽ジャンルは、クラシックからロック、果てはメタルまで、ありとあらゆる音楽ジャンルを飲みこめる幅広いものだと思います。それだけに、アイドルには様々な表情を持つ多様性というものが求められる過酷な試練が待ち受けています。
Buono!の場合、ガールズロックというレッテルを貼られているため、音楽ジャンルの振り幅がそんなに広くありません。ずっと同じ曲調をやっていれば「ワンパターン」と揶揄されるでしょうし、変化したらしたで「変わってしまった」と反感を買います。
これはBuono!の持って生まれた宿命というものなのかもしれません。
でも、変わらないことの難しさであるとか、ワンパターンを延々と続ける難しさもあるので、どこまでBuono!というグループのイメージを崩さずに続けていけるかが、このグループの宿命だと思います。
でも、初期Buono!を思い出してみればガールズロックをやりながらも、ポップスからテクノまで、様々なジャンルをやっています。そこら辺のガールズロックユニットとは、一線を画すのがやはりBuono!なのかもしれません。
音の方ですが、最近のハロプロ曲に見られる打ち込みバックトラックを聞いてる身からすると、出来る限り生楽器で演奏しようとしてるところは評価できます。その甲斐あって、かなり音のうねりが聞いていて、まさにロック&ロール。
ギターの音くらいは、打ち込み曲では入れることがありますが、ベース・ドラムのリズム隊はやはり生演奏がいいですね。音が締まります。
曲はというと、シングル曲の「初恋サイダー」は目立ってますが、その他の曲が割と凡庸といいますか、中の上くらいでとどまってる感じがします。
アルバム全体を通して聞くと、そんなに悪い印象はないのですが、一曲一曲のインパクトが弱いのです。耳に残るフレーズとか、頭の中で回る曲というものがないのです。
そんな中、AKIRASTARさんの作る曲は、Buono!のイメージをバッチリ捉えてるお方で、良い曲を提供してくれます。
あと歌詞も平凡になりました。
初期の岩里祐穂さん独特の「青春の衝動性」を描いた世界観は、今はなく、さらりと聞き流してしまう歌詞です。
つんく♂さんや三浦徳子さんもそうですが、独特の世界観を描く作詞家の方は、メロディに乗る歌詞が耳に引っかかってくるのです。
「あれ、今の言葉なんだろう?」と思わず歌詞カードを手に取る、という動作をさせてくれます。
若い新進気鋭の作詞家にチャンスを与えてるために、起用したのかもしれませんが、もう少しインパクトのある歌詞が欲しいです。
01.FEVER
ヘヴィなうねりがカッコイイ曲で、典型的なロックチューンです。
サビが印象的で、オープニングトラックにはうってつけの曲です。
02.GO!GO!ゴーダ
ちょいとレトロ風味のあるロックナンバーです。
隠し味に使ってある、ハモンドオルガン風のシンセの音がいい味出してます。
いかにもBuono!らしい、キャッチーなメロディ満載のよくできた曲だと思います。
あっという間に終わってしまう潔さがイイです。
03.初恋サイダー(Album version)
実はたいせーさんがキーボードやサウンドプロデューサーに関わってる曲です。
歌メロに集中しがちですが、何気にベースラインがカッコイイのです。
バンドアンサンブルがとてもバランスが取れていると思います。
04.未来ドライブ
Buono!流のバラードナンバーです。
でも意外とフツーで耳に残りにくいです。
ボーカル陣に助けられている曲だと思います。
05.BELIEVE★★★
Buono!流のポップナンバーです。
Aメロ~Bメロの展開は面白いのですが、サビが弱いかな?
もうちょっと練りこむだけで、良い曲になりそうなんだけど、惜しい出来です。
06.夏の星空
再びバラードです。
子守唄風に聞こえる感じは、「星の羊たち」のイメージに近い感じでしょうか?
これもボーカル陣の奮闘ぶりがよく伝わってきます。
07.Never gonna stop!
初期のアルバムに収録されていてもおかしくない出来の曲です。
実はAKIRASTARさんはベーシストだとわかった曲です。
ストレートすぎるくらいの、直球のロックナンバーなので、ライブでは盛り上がりそうです。
今回のミニアルバム聞いて率直な感想は、どうしてもっと曲数増やしてフルアルバムにしないのか? という点です。
シングル曲がないせいだとは思うのですが、それならどうしてシングルをもっと出さないのか?
制作陣がBuono!を今後どうしていきたいのか? イマイチ明確に伝わってこないのです。
ライブツアーだけはあらかじめ決まっていて、それに合わせて間に合せで楽曲を作ったような安易さを感じてしまうのです。
今回のアルバムで原点に戻るつもりなら、もう少し他にやり方があったような気がしました。
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