「1st GAM ~甘い誘惑~ / GAM」
「1st GAM ~甘い誘惑~ / GAM」
GAM待望の1stアルバムです。
アルバムタイトルに「~甘い誘惑~」とアルバム収録曲名を入れてる辺りが、今までのハロプロのアルバムタイトルとは大きく異なる点ですね。
今までなら、つんく♂さん流に数字に引っかけて、凝ったタイトルをつけてきたものですけど、あまりにストレートなアルバムタイトルにちょっと驚いております。
いまさらなお話しですけど、GAMは2人組みのユニットです。
で、アルバムジャケットやインナースリーブのお写真には、2人でいることを生かした「対」になった構図のショットが目白押しです。左右対称といいますか。
……その辺、どーしてもWの影がちらついてしまってしょうがないんですけど……。Wファンには結構ツライものありますね。どっちもアルファベットのユニット名だし。
ココ最近のハロプロはミニアルバムラッシュといいますか、なかなかフルアルバムをリリースさせてもらえない状況が続いているわけですが、ベストアルバムやサントラ等をのぞけば、モーニング娘。以外でフルアルバムのリリースは、2006年3月の安倍なつみさんの2ndアルバム以来となるようです。記憶違いでなければ。
そのあたりに、GAMに対する期待の大きさみたいなものを感じ取れなくもないですが、アルバムの中身はというと、案外バラついてる印象があります。
曲のバリエーションに富んでると言えば聞こえはいいですが、どこか焦点が定まらない感じがします。
構成は全11曲。
シングル3曲に、シングルのバージョン違いが1曲、アルバム曲が7曲です。
アルバムトータルタイムは44分。ボリューム的にはちょっと物足りない感じかな?
1stシングル「Thanks!」のバージョン違いは、ボーナストラック的な扱いだから、ちょっと曲数の頭数合わせっぽい感じがなきにしもアラズ。
曲そのものは悪くないと思うのですが、ちょっと印象に残りにくいですね。
一度聞いて分かるアルバムではなく、少し聞き込まないと良さが伝わらない感じがします。
ひとことで言うと、アイドルらしい曲はほとんどなし。おとなしい曲が多いためか、元気で若々しい感じはないですね。
何曲か面白い曲はありますが、それでもGAMファンを超えて、他のハロプロファンにアピールできるくらいの出来かといわれれば……ちょっとツライかな??
曲調は、どっちかというと松浦亜弥さんをイメージした曲が多いような気がしてます。
亜弥さんの3rdアルバムのアルバム曲とか、亜弥さんのココ最近のシングル(といってもずいぶん前ですけど)のカップリング曲で聞けるような、一風変わった変な曲みたいな印象があります。
だからその辺り、亜弥さんの4thアルバム用に書きためていた曲をGAMとしてレコーディングしたのかな?? と邪推してたりします。
でもGAMは「ソロ藤本美貴」さんと同じで、ハチャマなんですね。亜弥さんはゼティマですけど。
ところで、GAMってどんなユニットなんでしょ??
元々は、2006年に公開された亜弥さん主演の映画「スケバン刑事」の主題歌・挿入歌を歌うために結成されたユニットだったわけですけど、その時にすでにアルバムリリースやライブツアーをにらんだ活動を考えていたのでしょうか??
映画に出演していない藤本美貴さんが歌を歌っている辺りに、当初違和感を覚えてました。
「映画のサントラ」ならば、亜弥さんwith美勇伝か、松浦亜弥&石川梨華の2人でGAMを結成するのが筋でしょ。そーすると「グレート亜弥&梨華」になりますけど……。
ここで藤本美貴さんが呼ばれてGAMを結成させたのは、当初はお遊び半分だったのではないか?? と当時は思ってました。
ただ一方では、1stシングルの「Thanks!」は映画に合わせたハードなロック調の曲であったため、亜弥さんの声質には合わないので、声量のある美貴さんが呼ばれたのは、ある意味納得させられる部分もありました。てか、美貴さんのための曲って感じもありましたし。
が、その後シングルが2枚リリースされるわけですが、そこでは「Thanks!」とは全く違う、しっとりオトナ路線の曲でした。
「Thanks!」はあくまで映画のサントラ。
2ndシングル「メロディーズ」からが、本当のGAMの始まりなのかもしれません。
アルバムに「Thanks!」の別バージョンが収録されてますが、それがまさに「メロディーズ」以降のしっとり路線にアレンジされなおしてあるので、やはりGAMはしっとりオトナ路線のユニットなのだと分かります。
最初は映画の企画の一環で、一回限りの特別ユニットとして結成されたけど、レコーディングで楽しそ~に歌ってるGAMのふたりを見て、つんく♂さんの中でなにかひらめくものがあって、やれる所までやってみよう! と見切り発車して、それが案外長続きしてる。と、わたくしは思っています。
それと、なぜかなかなかリリースされない亜弥さんの新曲やアルバムの代わりに「これで勘弁して」と、代用品じゃないけど、苦肉の策としてリリースされてるのではないかと思ったり思わなかったり。
それが亜弥さんや、亜弥さんファンの救済措置となるかは不明ですけど。
だけど、つんく♂さんがドコまでGAMのふたりにインスピレーションを受けてるのかは分かりかねます。
曲からは、どうもイマイチイメージが伝わってこないといいますか。つかみ所がない、というのが率直な所です。
単に、わたくし好みの路線の曲じゃないから、そう聞こえるだけなのかもしれませんが、GAMというユニットのイメージを活かしきれてない気がするのはわたくしだけでしょうか??
松浦亜弥さんが在籍するユニット、という時点でソコソコ注目を集めますから、一般層を意識した楽曲にしなくちゃいけない一方ハロプロファンにも聞いてもらいたい、という相反する思いが交錯するなかで製作されたのではないか?? という感じがしてます。
GAMのふたりがあまりにリラックスしてお仕事してるもんだから、売り上げを度外視した「自由にやってるユニット」というイメージもありますけど、プレッシャーもかなりあったんでは? と製作側の気苦労みたいなのが伝わるアルバムだったりするのかも。
「自由にやってる」ワリには、いい意味での無責任さやいい加減さがなく、どこか窮屈な感じがするんですよね。
亜弥さんのシングル「ね~え?」のカップリングで「女の友情問題」って曲があります。
カントリー風のすっとんきょうな曲なんですが、これがなかなかの名曲です。(少なくともわたくしはそう思ってる)
サッパリとした女同士の友情を描いた歌詞で、まさに亜弥さんと美貴さんのことを歌った曲だと当時から思ってました。
こーゆー、バカっぽい曲をやってほしいんですけどね~。無理かな~??
「友情~上カルビ~」って曲もあったな……。
曲感想
1.Thanks!
もはやGAMの曲といってもいいのかすら分からないくらい、他の曲とは方向性が違ってますけど、わたくしこの曲が大好きです。
アルバムのオープニングナンバーとして最適で、この一曲のお陰でアルバムがすごく締まったものとなってる気がしています。
今からでも遅くないので、このロック路線も追求してほしいですね。
2.純潔~Only~
アップテンポのヘンテコ曲です。
「ドッドド、ドッドド」とゆー、80年代ゲームミュージックみたいな、打ち込み丸出しのリズムがなんか味わい深いです。てか、コナミの「沙羅曼蛇」かと思ったよ。
いわゆる、亜弥さんのアルバムやカップリング曲にありがちな、変なメロディのB級路線曲みたいです。
でも、妙にクセになるんでお気に入りです♪
3.メロディーズ
シングルで聞いたときは、かなり肩透かしを食らった覚えがあります。
が、アルバムに収録されていると、これが結構アクセントになっていて、構成的にキーポイント的な役割を果たしていて面白いです。
依然好きな曲ではありませんが、アルバムになくてはならない曲に聞こえてしまうのが不思議です。
4.愛の船
すごくマトモな曲です。
でもオトナっぽい路線ではなく、どこか青春の青さの匂いのある曲調で、かなりデキの良い曲だとおもいます。
つい、あまり凝ったアレンジせずにアコースティック調に仕上げて、Berryz工房あたりが歌えばもっとデキが良くなったんでは?
って思ってしまいました。スミマセン。
ライブではポイントになる曲でしょうね。
5.ここで キスして
椎名林檎さんの「ここでキスして。」とは同名異曲。
歌謡曲風の重たい曲です。スローなパワーバラードといった感じかな?
ただ、美貴さんの声がものすごく映える曲のためか、セクシーオトナジャンの「オンナ、哀しい、オトナ」っぽくも聞こえますね。
てか、これは美貴さんの曲でしょ。これは。
ライブで聞いてみたい曲です。説得力のある曲なので、案外泣いちゃうかも??
6.LU LU LU
いまだに好きになれないです、この曲。苦手なんです。
ただ、アルバムの流れから行くと、④~⑥のシリアスな流れは面白いんで、やっぱりこのアルバムには欠かせない曲として融合してるのが面白いです。
7.イチャイチャ Summer
タイトルからしておバカな曲を予想してましたが、意外というか、かなりデキの良い曲でびっくりしました。
後藤真希さんの「エキゾなDISCO」ほどじゃありませんが、少しウイスパーボイス気味に歌ってる美貴さんが新鮮で面白いです。てかフツーに可愛いです。
80年代ニューミュージックというか、アルバム中でもっともアイドルらしさのある曲ですね。タイトルどおり、夏のさわやかな曲です。
美貴さんが右寄りのスピーカー、亜弥さんが左寄りのスピーカー、と2人の声をわずかに左右に振り分けてますね。
細かいことですけど、一本のマイクで2人が左右から歌ってるようなミックスに、ちょっと感動しました。てか、他の曲でもやってくれればいーのに。
この曲がアルバム中盤にあるお陰で、アルバムに改めて締りが出て、ダレずに聞きつづけられます。だからかなりの名曲だと思います。
ところで、サビ部分のコード進行が、カントリー娘。に石川梨華の「恋人は心の応援団」に似てるように聞こえるのは気のせいでしょうか??
8.愛情オアシス
イントロというか、リズムがTalking Headsの「Once In A Lifetime」に似てるよ~な?? てかわかりにくいたとえですみません。
曲そのものは、またしても亜弥さんのB級路線ですね。
ポップスでも、歌謡曲でも、ジャズ風でもない、国籍不明のヘンテコ曲ですね。
そーゆー意味ではまさしくTalking Headsのように、ワールドミュージックの影響下にある曲なのか!?
9.・・・H
そんなにエッチな曲じゃありません(笑)
アップテンポで、そこそこ勢いのある曲で好けど、どこかあか抜けないですね。歌メロがマイナー超で古臭いせいかな?
インドというか中近東の音色が間奏で飛び出しますね。てか、このアルバム、オリエンタル風の音色が飛び出す曲が多いです。
10.甘い誘惑
アルバムタイトルトラックです。それだけに結構凝った曲になっています。
イントロで、亜弥さんと美貴さんが英語であおるようなセリフしゃべってます。ライブを想定した感じですね。
でもおふたり案外大したコトおっしゃってませんね
松「へいゆー! ゆーあーらっきーがい!」
藤「いえーす! あーゆーれでぃ? おーけー! おーらい かもん!」
タイトルだけ見るとバラードかと思いきや、意外にもアップテンポ。
てか、℃-uteの「僕らの輝き」のような、青春の衝動を描いたようなロック風の曲ですね。
ただ、もうひとつ爆発してないというか、変に落ち着いちゃってるのがもったいない。もっと前のめりでもいいから、パワーがほしかったな~。「涙GIRL」みたいに。
美勇伝の「恋するエンジェルハート」の感想のときにも書きましたけど、この曲も℃-uteミニアルバムのボツ曲に聞こえてしまうんですけど……どうもわたくしはゆがんでますな。
11.Thanks! 誘惑Remix
原曲の面影がないくらいに壊して、しっとり路線に組み立てられています。ジャズ風と言いますか。
まあ、中途半端なアレンジするよりも、これくらいやっちゃってる方がうれしいですけど。
やはりGAMはこの手のしっとり路線こそがやりたい方向性なのかな?? って思っちゃいますね。
今回のアルバム、結構辛口なこと書きましたが、お気に入りの曲はちゃんとあります。
ただ、飛ばす曲も結構あったかな? というのが正直な所。
無理にフルアルバムにせず、曲数を絞ってミニアルバムにしてたら、もっと締まった内容になってたんじゃないかと思います。
だから、結構もったいないアルバムだなって思いがあったりなかったり。
今後2ndアルバムがリリースされることがあるのか分かりませんけど、もう少しハジけた曲が聞きたいですね。
てか、GAMの方向性というのがいまだにつかみきれてないので、どの路線をやったら一番合ってるのか、わたくしもよく分かんないんですけども……。
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